【初めてでも】看護研究のリーダーに期待する3つの役割とは?【大丈夫】
「看護研究のリーダになったけど、なにをすればいいの?」「リーダーって私が全部やらなきゃダメなの?」と悩んでいませんか?
私も以前看護研究のリーダーを任せられたときは同じことを思い、4月の年度初めから絶望感を感じました。
リーダーの役割をわかっていなかった当時は、働かないメンバーにイライラしながらなんとか看護研究をやり切ったことを覚えています。
今でこそリーダーの役割について「ああすればよかったんだ」と理想的な働きかけが分かりますが、なかなかイメージできませんよね?
そこで、今回は看護研究のリーダーの役割について解説していきたいと思います。この記事を読み終わったときには、リーダーの役割が分かり看護研究もスムーズにできるようになりますよ!
私のリアルな失敗体験も赤裸々に紹介していきますので、肩の力を抜いて読んでみてくださいね!
看護研究リーダーの3つの役割
ここからは、看護研究のリーダーに求められていることを紹介していきます。看護研究のリーダーに求められている役割は下記の3つです。
- スケジュールの進行
- 話し合いや打ち合わせの調整
- 師長・副師長との橋渡し
「え?そんなことでいいの?」と思いましたか?これでいいんです!
リーダーに求められているのは全体の進行と調整役です。それさえできればリーダーとして100点満点と言えるでしょう。
次からもう少し詳しく解説していきます。
1、スケジュールの進行
看護研究は短いと1年、長いと数年かけて行うものとなっています。その中で研究の準備~発表まで6つのステップがあります。下の表は6つのステップと時期(1年の場合)の表です。
- 研究テーマを探す(4月)
- 先行研究・文献を確認する(5・6月)
- 「研究計画書」を作成する(7月)
- データを集める(8~10月)
- データを分析する(11月)
- 研究の成果を発表する(1~2月)
「たったの6つの工程なら簡単そう」なんて思っていませんか?
やってみるとわかりますが、この1つ1つの工程が大変めんどくさい!
研究テーマはなかなか決まらず、先行研究や文献を取り寄せする場合数日~1週間程度かかったりと時間がかかります。
研究計画書は上司に添削してもらいながらやるので、2カ月ほどかかることもざらです。
データ収集は良いとして、その分析に慣れない統計を使うとさらに時間がかかり、論文にまとめる作業もプラスされます。
スムーズに看護研究を進めるには、リーダーが書類の提出日や進行状況を把握し、時にはメンバーに活を入れスケジュール管理をすることが求められます。
これが出来ているリーダーだと、メンバーとしても動きやすく余裕をもって作業に取り掛かれるため、安心して任せられるリーダーと言えます。
私の場合は、スケジュール管理がうまく出来ずに毎日仕事終わりに遅くまで残って研究をまとめたり、休日も返上して看護研究をやっていました。
2、話し合いや打ち合わせの調整
看護研究はメンバー同士で話し合ったり、師長・副師長とも話合う事がとても多いです。
それだけ看護研究を行うスタッフ全員が同じ意識と目的を持ち研究に臨まなければ、「あれ?今何してるんだっけ?」といつのまにか迷走していたなんてことが良くあります。
また、研究を行うという作業は大変な労力が必要なため、リーダーとメンバーが力を合わせて行わないと負担感が大変強くなります。
そのため看護研究メンバーの勤務などをしっかりと把握し、話し合いや打ち合わせの調整を行い自分がいなくても研究が進む下地を作ることが大切です。
リーダーだからって一人でやろうとするとすごく辛い。
話し合いが十分でないと、メンバーが研究内容を把握せずに研究に全く参加してくれなかったこともあったな。
3、師長・副師長との橋渡し
先ほども言いましたが、看護研究は師長や副師長との話合う機会も多いです。
研究自体は病棟で行われるため、上司の協力が不可欠となります。また、第3者の視点で見てくれるため、研究の目的や方法にズレがないか確認をするため定期的に話合うことが必要となります。
話合う際には、リーダーが話合いに参加し
- 研究の進行状況
- 研究をしている上で困っていること
- 上司に協力して欲しいこと
上記のような内容を話合うと良いでしょう。その話合った内容をメンバーに伝達することで、メンバーが迷いなく看護研究を進めていくことができます。
慣れないリーダーであることは上司も理解しているので、遠慮せずに相談していきましょう!
看護研究リーダーとメンバーとの違いは?
ここでは看護研究のリーダーとメンバーの違いについて解説します。メンバー経験がある方は、なんとなく違いについては理解しているかもしれませんね。
しっかりと役割認識をすることで、メンバーに任せて良い作業が理解できるため確認してみてください!
リーダーは全体の調整役、メンバーが実働部隊
リーダーとメンバーの役割の違いは、簡単に言ってしまえば「指揮者」と「演奏者」です。
リーダーは作業とスケジュール全体を見ながら、一つ一つの工程に締め切りを設定します。また、作業の負担具合を確認しながらメンバー間での作業量の調整も行います。
メンバーは極端に言えば与えられた作業が出来ればそれでOKです。
楽器を演奏するときに、いきなり指揮者が一人で演奏したりしませんよね?指揮者は演奏者全体を見渡し一つの音楽(看護研究)を作り上げていきます。
リーダーになったからと言って全責任を負うわけではなく、メンバーと一緒に看護研究を作り上げましょう。
出来るリーダーはこうしてる!良いリーダーと悪いリーダーの違い
「リーダーの役割は分かったけど、どうしたらメンバーにとって良いリーダーとなれるのかな?」と考えていませんか?
ここからは長年色々なタイプのリーダーを見てきた私が
「良いリーダー」
「悪いリーダー」
の特徴について解説していきたいと思います。
良いリーダーの特徴
良いリーダーの特徴は下記の3点となります。一つずつ解説していきますね!
- スケジュールから逆算して記録の提出期限を決定する
- メンバーとよく打ち合わせを行う
- 師長、副師長、病棟スタッフへの周知が徹底される
スケジュールから逆算して記録の提出期限を決定する
繰り返し説明していますが、看護研究は長丁場の中で適切に記録を作成していくことが必要になります。
良いリーダーは、記録の提出期限から逆算し、余裕を持って書類の作成期限を設定します。
期限が決まることで、メンバーも期限を意識して作業に取り組むことができるため、「提出期限もうすぐなのに全然できてない」なんてことになりにくいです。
期限を決めないと、危機感を持たないため、メンバーが全然やってくれないなんてことがあるのよね。
メンバーとよく打ち合わせを行う
良いリーダーはメンバーとの信頼関係の構築が不可欠になります。これは一般的にも言われており、聞いたことがあるかもしれませんね?
「じゃあ具体的に信頼関係はどうすれば構築できるの?」と思いますよね。
看護研究のリーダーであれば、「メンバーとよく話し合うこと」だと私は思います。
なぜなら、看護研究はリーダーとメンバーが力を合わせて行う必要があります。
その中で、リーダーは「全然作業を進めてくれない!」「研究の内容が全然わかってないじゃん」などイライラを感じる場面が必ず出てきます。
メンバーにしても「リーダーが一人で進めてるのに、出来ていないって言われてもわからないよ」と考えています。
これはよく話合いを行い、リーダーがやってもらいたいこと、メンバーがやるべきことを明確にすることで避けることができます。
メンバーも慣れない看護研究で、不安な気持ちを持っています。そこを優しくフォローし、チーム全員で困難に立ち向かうことで信頼関係が構築されていきます。
リーダーだからって一人で看護研究を進めていたら、気づいたら誰もついてきてくれなかった
なんてこともありました。小さな事でもメンバーと共有するのが大事!
師長、副師長、病棟スタッフへの周知が徹底される
看護研究は師長、副師長を含めて病棟スタッフ全員の協力が必要です。
リーダーは、看護研究の内容を師長含めた全スタッフへ周知し、協力をお願いする必要があります。
周知自体はメンバーでもいいと思うかもしれませんが、メンバーが若いスタッフの場合も多く、上司や経験年数が上のスタッフには言いにくい場合もあります。
また、研究内容をしっかり理解し、研究方法を説明する必要もあるため、リーダーが周知を徹底してくれるとメンバーとしてとても助かるのです。
師長や副師長は準備~研究のまとめまで、助言を貰いながら研究を進めていくため、師長・副師長が進捗状況を把握していることも大切です。
上司との間を取り持ち、看護研究チームとして全員で取り組むためにもリーダーが率先して、師長・副師長・スタッフとコミュニケーションをとっていくことが良いリーダーと言えます。
何度も周知をしても「聞いてない」というスタッフは必ずでてくるのよね。スタッフに気持ちよく協力してもらうためにも、周知は大事ですね!
悪いリーダーの特徴
では反対に悪いリーダーとはどういうリーダーでしょうか?極端に言えば「良いリーダーの特徴」で上げた反対のです。
- 記録の提出期限が守れない
- リーダー自らが全てやってしまう
- 看護研究メンバーで話し合いをしない
詳しく解説していきます。
記録用紙の提出期限が守れない
看護研究は研究準備の段階では「研究計画書」、最終的には「看護研究の論文」を提出する必要があります。
これらの作成には修正しながら作成し1~2カ月程度の時間がかかります。記録提出までの流れとしては
・記録の作成→副師長チェック→師長チェック→リーダーへ返却
上記の流れを2~4回は繰り返します。
1週間に1度副師長へ提出しても最低2週間はかかる計算になるため、余裕をもって記録の作成をする必要があります。
これらが分からずに、リーダーがスケジュール管理が出来ていないと提出期限ギリギリになり、連日徹夜をすることになってしまいます。
結局記録の提出が出来ないと、上司に迷惑をかけるばかりか、看護部長室や事務の方にも影響が出るため、記録の提出期限は必ず守るようにしましょう。
出来るだけ一人でやろうとしても、修正を繰り返す必要があって限界が来てしまいました。最初からメンバーと協力してやるのがいいですね。
リーダー自らが全てをやってしまう
経験の浅いリーダーがなりがちなのが、「全て自分でやろうとする」です。
「自分でやったほうが早いじゃん」と考える気持ちはすごくわかります。
しかし、リーダーが全てをやってしまうのは自分やメンバーにとってすごく悪い影響があります。
看護研究はかなり負担が大きく、それをリーダーが一人でやろうとすると大きなストレスと疲労を抱えることになります。
また、メンバーの中には翌年のリーダー候補が含まれている場合もあります。
メンバーに仕事を振りながら、看護研究のやり方や手順を覚えてもらうことで、翌年の看護研究をスムーズに進めることができます。
負担の軽減や後輩を育てるという意味でも、リーダーはメンバーを頼って看護研究を進めていくとよいでしょう。
リーダーとなると、「自分がやならきゃ」って思うのよね。でも「後輩を育てる」と思うと自然と任せられるようになったわ。
看護研究メンバーで話し合いをしない
これは前の項目に繋がることですが、「リーダーとメンバーで話合いをしない」、「話合いの場を作らない」のはリーダーとしてやってはいけないことです。
看護研究はメンバーとの協力が不可欠なので、話し合いをしないとメンバーも協力したくてもできません。
また、メンバーからしたら「勝手に決められたことをなんでやらなきゃいけないの?」となります。
話し合いの場を作り、リーダーとメンバーが協力できる体制を作るのが良いリーダーと言えるでしょう。
良いリーダーになって看護研究を楽しくやろう!
リーダーとなって不安な気持ちはあると思います。色々説明してきましたが、結局は「みんなと協力する」が一番大事です。
看護研究は、看護師だけでなく、患者さんにとっても意味のある大事なものです。
「大変だ」「嫌だな」という気持ちはすごくわかりますが、あなたのしていることが患者さんと病棟のためになるため頑張りがいがありますよ。
この記事を最後まで読んでくれた、努力家のあなたら絶対にうまくいきます!この記事が少しでもあなたの役に立てなら嬉しいです。