【百田尚樹】夏の騎士の書評・感想【面白い?つまらない?】
感想・総評
この小説を読んだ管理人の感想は、「面白い!!けど、どこか物足りない。」でした。
こちのら小説は後ほど詳しく書きますが、簡単に言えば3人の少年が大きな事件に直面し立ち向かい、成長していく物語となっています。
序盤は昔懐かしいような、ノスタルジックな雰囲気を醸しだしており「あれ?平成生まれだけど、昭和感がなんか懐かしい。」みたいな気持ちになります。
そんな平和な街に起こる凶悪な事件。主人公たちはどんな風に巻き込まれて行ってしまうのか、ハラハラしながら読み進めていきました。
そんな中で同時に展開される小学生の恋愛模様。「こんな人生送ってみたかった。」と何度も思いましたね。
ハラハラしながら、時にキュンキュンしてあっという間に読めてしまう内容になっています。
面白かったポイント
- どこか懐かしく感じる古き良き田舎の風景
- 落ちこぼれの主人公たちが、友情を育みながら共に成長していく姿がとても眩しい!
- 小学生の「くっつくの?くっつかないの?じれったい!!」とキュンキュンする恋
- 怪しさ満点の容疑者達。でもその裏にはそれぞれのドラマがある
- ベタな最後の締め方。でもそれがいい!
物足りなかったポイント
- 本の内容としては、少年の成長物語が3/4で凶悪事件についての内容が薄い
- 少年たちと事件の関わりが巻末のラスト20ページ程度のため、ドキドキ感がもう少しほしかった
- マドンナの背景や考え、思いがもう少し詳しく描写がものたりない。
こんな人におすすめ
- 青春時代の爽やかな物語が好きな人
- ベタな展開と結末が好きな人
- 少年・少女時代の淡い恋を懐かしく思いだしたい人
ハラハラ・ドキドキのスリルや、感動、恋など強く感情を揺さぶられるシーンは少ないですが、ありふれた日常と身近に感じられるストーリーや設定に読んでいくうちにとても引き込まれます。
「読んでドキドキしたい!」「もっと刺激的な描写が欲しい!」「最後に大どんでん返しが!?」のような作品ではないので、これらの刺激を欲している人にはお勧めできません。
それでもじわじわと引き込まれる世界で、とても楽しく読めてしまう作品になっています。是非ご一読して感想を教えてください(^^)
ーーこの先はネタバレを含みます。まだ読まれていない方で内容を知りたくない方はお引き返しくださいーー
ストーリー要約
小学6年生の3人組。彼らは勉強ができないばかりか、運動もできない。クラスの中で落ちこぼれとして、バカにされている。
そんな3人が主人公の提案をきっかけに騎士団を結成することに。
騎士団には姫が必要という事で、学校のマドンナ「有村由布子」を姫として騎士団を結成。騎士団の誓いをクラスで有村由布子に宣誓。
騎士団の目標は有村由布子を守ること。主人公の住む街で1年前に起こった「小学生女児殺人事件」の犯人を捕まえようと独自の調査を進める。
警察も掴めなった3人の容疑者を見立て、容疑者の調査を始めた3人。
そんな中有村由布子から突然の試練を言い渡される。
その試練とは、学館スクールの試験で3人のうち1人でも100番以内に入ること。(学館スクールの試験とは有名中学を受験する県内トップクラスの試験。受験者数は3000人超)3人組はバカにされながらも試練に立ち向かっていく。
困惑している3人組に予想外の協力者が現れ、3人は1人では出来なかった努力を協力しながら見事にやり抜き、有村由布子の試練を突破。
試練を突破したころには3人の気持ちに変化があり、自分たちが努力をできるきっかけを作ってくれた「本物の姫」を見つけ出し、騎士団を解散する。
主人公と姫はお互いに惹かれながらも、なかなか思いを打ち明けられずにいた。
平和な生活のなか、忘れかけていた「小学生女児札事件」がまたもや起こってしまう。
些細なきっかけで殺人事件の犯人と鉢合わせになってしまう主人公と姫。
殺人犯に追い詰められてしまう主人公と姫。
この先どうなるのか是非本書をお読みください。
人物紹介
メインの登場人物は小学生6年生の3人の男子と同じクラスメイトです。
主人公
遠藤 宏志(えんどう ひろし)
バカ。臆病者。本作の主人公。騎士団の設立者。
木島 陽介(きじま ようすけ)
デブ。バカ。生活保護の系譜を受け継ぐ(だろう)男。
高頭 健太(たかと うけんた)
吃音症。自信がない。親は医者で親から見放された子供。
ヒロイン
ヒロインは同じ小学6年生の女子2人
有村 由布子(ありむら ゆうこ)
学校一の美少女。帰国子女で英語はペラペラ。ピアノもうまい。騎士団の姫。
壬生 紀子(みぶ のりこ)
クラス一の嫌われ者。髪は坊主のように短く、髭のような産毛が生えている。主人公たちと犬猿の仲。
その他のクラスメイト
大橋 一也(おおはし かずや)
クラス一の秀才。体も大きく運動神経もよい。主人公たちをバカにしている。
山根 博樹(やまね ひろき)
大橋の次に頭が良い。有村由布子の崇拝者。
水谷 洋子(みずたに ようこ)
有村由布子の侍女1。
高木 佳代(たかぎ かよ)
侍女2
その他登場人物
安西先生(あんざい せんせい)
20代の若い男性教師。主人公のクラスの担任。明るく生徒からの人望がある。白髪鬼とは呼ばれてません。
藤沢薫(ふじさわ かおる)
1年前に殺された女児。足が速く、目が大きい美少女。
鈴木絵里(すずき えり)
殺人事件2番目の被害者。地味でおとなしそうな外見。
柳書店のおっさん
経営している書店の商品はほとんどエロ本。マニアックな趣味を持っているため容疑者になった。
北摂新聞の配達員
新聞を配っている犬2匹が突然急死した。1年前の事件後すぐに引っ越してきたため容疑者となる。
妖怪ばばあ
小学校の隣に住むばばあ。推定90歳以上。容疑者の1人。ばばあの家に入ったボールで無事に戻ったものはいない。
まとめ
いかがでしたか?
この小説にはここには書ききれない細かなストーリーや、登場人物たちの背景がたくさん描かれています。
また、主人公たちのダメさ加減は誰しも「わかるわかる。」「そうなんだよなー。」と共感できるところが沢山あります。
そんな主人公が自分と重なり、主人公が成長していく姿にまるで自分も成長出来ているような気持ちの良い錯覚を得られることができます。
ぜひぜひ一度読んでみてくださいね。では!